OUR STORY

木によって伐採の時期があります。
枝落し
丸太や枝を必要なサイズに製材します。
新潟県のベタ雪と長期間天日にさらすことで、桐の「しぶ」が抜けます。

越後長岡物語
「くつろぎの越後杉・やすらぎの越後桐の額縁」

 昭和50年、額縁製造・販売の会社を設立した株式会社アートナカムラが、海外製品の粗悪な品質の横行に悩まされる中で、額縁本来の品質・高級感・技術を貫いていくために考え続けた結論。それが額縁です。
 もともと、苗場で伐採された杉の切り株を額縁材として利用する業者が多く、額縁の産地として知られる長岡ですが、アートナカムラは、良質の越後杉をさらにブランド化し、また会津と並ぶ新潟県中越地域の上質の桐材も利用して、環境志向にこだわるお客様、額にも愛着を持つお客様のご要望におこたえしようと、高品質の道を歩むことにしたのです。
 手を組んだのは、新潟県津南町森林組合でした。
 森林整備、山菜加工、製材・栽培を通じ、地域経済を担っている津南町森林組合は、高齢化・担い手不足で荒れ果てつつある森林を守り育てるために大切な間伐を行っています。しかし、間伐材の用途拡大が重要な課題でした。そこで組合は、その製材技術を最大限生かし、アートナカムラに協力することにしました。
 木材は、ご存知のように狂い、ねじれ、割れなどがつきものです。こだわりの額縁ですから、杉材は、合板でなく無垢材を使用するということであり、また、桐材では間伐材のみならず、枝も使うということになると、より難しくなります。一般の建材で15~20%の含水率を5~10%にする乾燥技術が求められます。さらに、額縁ですから平板から角材、部品材へと効率よく木取り技術も高くなくてはいけません。また、越後の桐材はもともと水分による収縮・膨張がなく、割れ・狂いも少なく、軽くて丈夫なのですが、従来捨てていた枝の部分を活用するということなので、自然な形状を活かしつつ皮むきをする技術が必要です。
 津南町森林組合は、木材は心から慈しみ、高い技術を持ってアートナカムラに応えています。より一層高いレベルでブランド化された越後杉の美しく、くつろぎの柾目。自然の風合いを生かした越後桐の木目のやすらぎ。
 この二つの素材をアートナカムラが、曲げ強度などを考慮し、切断加工、切削加工、技術加工、接着加工、液剤の浸透加工などの技術を活かしながら、また、桐額では塗料として、天然「柿渋」を初めて使用。防虫性・耐久性に優れ、高級感・ぬくもり感あふれるオンリーワンの額縁を「越後長岡物語」の新たな一品として、世に問うことにしたのです。
 
 物語は、これで終わりではありません。長岡にある社会福祉法人中越福祉会「みのわの里 工房こしじ」が連携参加者として加わっているのです。額縁の枠を組み、色付けをし、金具を留める一連の最終段階を担っています。間伐が森林整備につながり、培った高い技術が日本の文化を守ることにつながり、障がいを持たれた方々にも活力を提供して頂いて、まさに自然を生かし人を活かした、貴重な連携プレーが実を結んだのです。
 
 農水省と経産省による「農商工等連携事業計画」の認定を受けた「くつろぎの越後杉。やすらぎの越後桐の額縁」を、どうぞご愛顧ください。
 

社会福祉法人中越福祉会 みのわの里 工房こしじ

  • 額縁の製作作業を受託し、知的障がい者の就労支援を促進
  • 就労を希望する知的障がい者に対し、一定期間就労に必要な知識や能力の向上をはかる訓練を実施する就労移行支援事業所
  • 知的障がい者が地域の中で、明るく、楽しく、生きがいのある生活を送れるよう、様々な作業に取組んでいる中、今回(株)アートナカムラの額縁の製作作業の一部を受託し、社会参加と所得保証に努めます

 みのわの里について、さらに詳しくはこちら



Mt.FUJI 60 photos Gallery Frame